診療報酬 リハビリテーション通則
リハビリテーション<通則>
1. リハビリテーション医療とは
リハビリテーション医療は、基本動作能力の回復等を目的とする理学療法や、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とされた作業療法、言語聴覚能力の回復等を目的とした言語聴覚療法等の治療法より構成され、いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるものである。
1の2 疾患別リハビリ医学管理のみを行う保険医療機関は想定しない
心大血管疾患リハビリテーション医学管理料、脳血管疾患等リハビリテーション医学管理料、運動器リハビリテーション医学管理料及び呼吸器リハビリテーション医学管理料(以下この部において「疾患別リハビリテーション医学管理料」という。)は、急性期、回復期及び維持期のリハビリテーションを一貫して担当する保険医療機関を評価したものであり、原則として、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料及び呼吸器リハビリテーション料(以下この部において「疾患別リハビリテーション料」という。)に掲げるリハビリテーション(以下この部において「疾患別リハビリテーション」という。)を行わず、心大血管疾患リハビリテーション医学管理、脳血管疾患等リハビリテーション医学管理、運動器リハビリテーション医学管理及び呼吸器リハビリテーション医学管理(以下この部において「疾患別リハビリテーション医学管理」という。)のみを行う保険医療機関は想定されないものであること。
2. 疾患別リハビリテーション
第1節リハビリテーション料に揚げられていないリハビリテーションのうち、簡単なリハビリテーションのリハビリテーション料は、算定できないものであるが、個別に行う特殊なリハビリテーションのリハビリテーション料はそのつど当局に内議し、最も近似するリハビリテーションとして準用が通知された算定方法により算定する。
3. 診療録の記載
各区分におけるリハビリテーションの実施に当たっては、全ての患者の機能訓練内容の要点及び実施時刻(開始時刻と終了時刻)の記録を診療録等へ記載すること。
4. リハビリ実施計画と継続理由(第1号の患者の場合)
疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師が定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行いリハビリテーション実施計画 を作成する必要がある。 また、リハビリテーションの開始時及びその後3ヶ月に1回以上(特段の定めのある場合を除く。)患者に対して当該リハビリテーション実施計画を説明し、診療録にその要点を記載(実施計画書の写しを添付)すること。 また、疾患別リハビリテーションを実施している患者であって、算定日数の上限を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合 (特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号 に掲げる患者であって、別表第九の九第一号 に掲げる場合)は、継続することとなった日及びその後3か月に1回以上、リハビリテーション実施計画書を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付すること。なお、当該リハビリテーション実施計画書は、
(1)これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)、
(2)前月の状態との比較をした当月の患者の状態、
(3)将来的な状態の到達目標を示した今後のリハビリテーション計画、
(4)機能的自立度評価法(Functional Independence Measure、以下この部において「FIM」という)、基本的日常生活活動度(Barthel Index、以下この部において「BI」という。)、関節の可動域、歩行速度及び運動耐用能などの指標を用いた具体的な改善の状態等を示した継続の理由、などを記載したものであること。
4-2. リハビリ実施計画と継続理由(第2号の患者の場合)
疾患別リハビリテーションを実施している患者であって、算定日数の上限を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合 (特掲診療料の施設基準等別表第九の 八第二号 に掲げる患者であって、別表第九の九第二号 に掲げる場合)及び疾患別リハビリテーション医学管理を行う場合は、当該医学管理の開始日及びその後3か月に1回以上、リハビリテーション実施計画書 を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付すること。なお、当該リハビリテーション実施計画書は、
(1)これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)、
(2)前月の状態と比較した当月の患者の状態、
(3)今後のリハビリテーション計画等について記載したものであること。
5. 専門施設外で訓練
届出施設である保険医療機関関内において、治療、訓練の専門施設外で訓練を実施した場合においても、疾患別リハビリテーション又は疾患別リハビリテーション医学管理の下に実施されるリハビリテーションとみなすことができる。
6. 個別1単位定義、リハビリ医学管理料は1単位以上で算定
疾患別リハビリテーション料の点数は、患者に対して20分以上の個別療法として訓練を行った場合(以下この部において「1単位」という。)にのみ算定するものであり、訓練時間が1単位に満たない場合は、基本診療料に含まれる。 また、疾患別リハビリテーション医学管理料は、1日(ただし、1単位以上のものに限る。)以上のリハビリテーションを含む、リハビリテーション実施計画に基づく必要な医学管理を行った場合に算定できるものである。したがって、 1単位に満たないリハビリテーションのみしか実施されない日は、当該医学管理料を算定できるリハビリテーションを行っているものではないこと。
7. 単位数上限
疾患別リハビリテーション料は、患者1人につき1日合計6単位(別に厚生労働大臣が定める患者については1日合計9単位)に限り算定できる。
8.複数の疾患別リハの場合
疾患別リハビリテーション料は、患者の疾患等を総合的に勘案して最も適切な区分に該当する疾患別リハビリテーション料を算定する。ただし、当該患者が病態の異なる複数の疾患を持つ場合には、必要に応じそれぞれ対象とする疾患別リハビリテーション料を算定できる。例えば、疾患別リハビリテーション料のいずれかを算定中に、新たな疾患が発症し、新たに他の疾患別リハビリテーションを要する状態になった場合には、新たな疾患の発症日等をもって他の疾患別リハビリテーションの起算日として、各々の算定日数の範囲内でそれぞれの疾患別リハビリテーション料を算定することができる。この場合においても、1日の算定単位数は前項の規定による。
8の2 リハビリテーション料の逓減
疾患別リハビリテーション料の対象となる患者は、心大血管疾患リハビリテーション料は治療開始日から121日目以降、脳血管疾患等リハビリテーション料は、発症日、手術日又は急性増悪の日(以下この部において「発症日等」という。)から141日目以降、運動器リハビリテーション料は発症日等から121日目以降、呼吸器リハビリテーション料は治療開始日から81日目以降は、逓減された点数を算定するものであること。なお、疾患別リハビリテーション料に規定する算定日数の上限の除外対象患者が、当該算定日数の上限を超えて、引き続き疾患別リハビリテーションを行う場合も、逓減後の点数を算定するものであること。ただし、児童福祉法第43条の3に規定する肢体不自由児施設又は同法第27条第2項に規定する国立高度専門医療センター及び独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であって厚生労働大臣の指定するものの通園者(外来患者を含む)であって、特掲診療料の施設基準等別表第九の八第二号に規定する者については、逓減前の点数を算定するものであること。
8の3 リハ医学管理用の複数疾患を持つ場合
疾患別リハビリテーション医学管理料は、患者の疾患等を総合的に勘案して最も適切な区分に該当する疾患別リハビリテーション医学管理料を算定する。ただし、当該患者が病態の異なる複数の疾患を持つ場合には、必要に応じ、それぞれを対象とする疾患別リハビリテーション医学管理料を算定できる。
8の4 リハビリ医学管理用へ移行した患者は疾患別リハを後に原則できない。
疾患別リハビリテーション医学管理は、当該疾患別リハビリテーション医学管理を行う以前に、当該疾患別リハビリテーション医学管理に係る疾患等について、疾患別リハビリテーションを実施していたか否か及び疾患別リハビリテーション料の算定日数の上限の日以内であるか否かにかかわらず、患者の疾患等を総合的に勘案して行うことができる。ただし、当該医学管理は、疾患別リハビリテーションを実施することがふさわしい患者以外の患者(特掲診療料の施設基準等別表第九の八に掲げる患者であって、別表第九の九に掲げる場合に該当する者以外の患者)に対して実施するものであるから、当該医学管理を行った後に疾患別リハビリテーションを行うことは、原則としてできないものであること。
8の5 疾患別リハとリハ医学管理の併用は出来ない。
疾患別リハビリテーションを行っている期間は、同一の疾患等に係る疾患別リハビリテーション医学管理を実施できない。なお、疾患別リハビリテーションから疾患別リハビリテーション医学管理に移行する月においては、移行日までは疾患別リハビリテーション料を、移行日後は疾患別リハビリテーション医学管理料を算定するものであること。
9. 診療報酬明細書の記載要領
疾患別リハビリテーションを実施する場合は、診療報酬明細書の摘要欄 に、疾患名及び当該疾患の治療開始日又は発症日等を記載すること。また、算定日数の上限を超えて継続して疾患別リハビリテーションを行う患者のうち、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合(特掲診療料の施設基準等別表第九の八第一号に掲げる患者であって、別表第九の九第一号に掲げる場合 )は、
(1)これまでのリハビリテーションの実施状況(期間及び内容)、
(2)前月の状態との比較をした当月の患者の状態、
(3)将来的な状態の到達目標を示した今後のリハビリテーション計画、
(4)FIM、BI、関節の可動域、歩行速度及び運動耐用能などの指標を用いた具体的な改善の状態等を示した継続の理由を摘要欄に記載すること。ただし、リハビリテーション実施計画書を作成した月にあっては、当該計画書の写しを添付することでも差し支えない。
なお、継続の理由については、具体的には次の例を参考にして記載すること。
具体例
本患者は、2006年9月21日に脳出血を発症し、同日開頭血腫除去術を施行。右片麻痺を認めたが、術後に敗血症を合併したため、積極的なリハビリテーションが実施できるようになったのは術後40日目からであった。 2007年2月中旬まで1日5単位週4日程度のリハビリテーションを実施し、BIは45点→65点に改善を認めた。3月末に算定日数上限に達するが、BIの改善を引き続き認めており、リハビリ開始が合併症のために遅れたことを考えると、リハビリテーションの継続により、更なる改善が見込めると判断される。また、疾患別リハビリテーション医学管理を実施する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、疾患名、当該疾患の治療開始日又は発症日等、当該医学管理の開始日及びリハビリテーションの実施日を記載すること。
10.ADL加算
通則5に揚げる加算は、心大血管疾患リハビリテーション料(I)、脳血管疾患等リハビリテーション料(I)、運動器リハビリテーション料(I)及び呼吸器リハビリテーション料(I)を算定する入院中の患者について算定するものとし、下記のとおり取り扱うこととする。
(1) 当該加算は、訓練室以外の病棟等(屋外を含む。)において、早期歩行自立及び実用的な日常生活における諸活動の自立を目的として、実用歩行訓練・日常生活活動訓練が行われた場合に限り算定できるものであり、訓練により向上させた能力については常に看護師等により日常生活活動に生かされるよう働きかけが行われることが必要である。ただし、平行棒内歩行、基本的動作訓練としての歩行訓練、座位保持訓練等は当該加算の対象としない。
(2)当該加算を算定するに当たっては、リハビリテーション開始時及びその後1月に1回以上、医師、理学療法士等が共同してリハビリテーション実施計画書(別紙様式16-1、別紙様式16-2、又はこれらに準ずるもの。)を作成し、患者又は家族に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付すること。なお、リハビリテーション総合計画評価料算定患者及び回復期リハビリテーション病棟入院料算定患者については、リハビリテーション総合実施計画書の作成により、リハビリテーション実施計画書の作成に代えることができる。
(3) 当該加算については、当該保険医療機関以外で当該療法が行われたときには算定できない。
11.リハ医学管理料に含まれる費用
疾患別リハビリテーション医学管理料に含まれるリハビリテーションの費用については、第7部リハビリテーションに定めるリハビリテーションに係る費用のうち、当該疾患別リハビリテーション医学管 理料に係る疾患に対応する疾患別リハビリテーション料であり、当該疾患別リハビリテーション医学管 理料に係る疾患に対応する疾患別リハビリテーション料以外の疾患別リハビリテーション料、摂食機能療法、視能訓練、難病患者リハビリテーション料、障害児(者)リハビリテーション料及び薬剤料は含まないものであること。また、 鋼線等による直達牽引(2日目以降。観血的に行った場合の手技料を含む。)、介達牽引、矯正固定、変形機械矯正術、消炎鎮痛等処置、腰部又は胸部固定帯固定、低出力レーザー照射又は肛門処置の費用は、同一の患者であって、病態の異なる別の疾患に対するものであるか否かにかかわらず、疾患別リハビリテーションを行った日又は疾患別リハビリテーション医学管理を行った月の所定点数に含まれるものとする。なお、単に疼痛を緩和させるためのマッサージなどによる療法は、消炎鎮痛等処置で行われるものであり、疾患別リハビリテーション医学管理により実施されるリハビリテーションとは明確に区分されるべきものであること。
12 リハ医学管理料は慢性疼痛疾患管理料との併用はできない
区分番号B001の17に掲げる慢性疼痛疾患管理料を算定する患者に対して行った疾患別リハビリテーション医学管理料を算定すべき医学管理に係る費用は、算定しない。
13 複数医療機関でのリハ算定は不可
疾患別リハビリテーション又は疾患別リハビリテーション医学管理を一の保険医療機関で実施している場合には、他の保険医療機関で、同一の疾患等に係る疾患別リハビリテーション料又は疾患別リハビリテーション医学管理料は算定できない。 したがって、当該患者等に対し照会等を行うことにより、他の保険医療機関における疾患別リハビリテーション料又は疾患別リハビリテーション医学管理料の算定の有無を確認すること。
(*当面の間は言語聴覚療法のみ移行措置として併用可能 )
別表第九の八
別表第九の八 を次のように改める。
別表第九の八 心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料及び呼吸器リハビリテーション料に規定する算定日数の上限の除外対象患者
第九の八第一号
治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合
失語症、失認及び失行症の患者
高次脳機能障害の患者
重度の頸髄損傷の患者
頭部外傷及び多部位外傷の患者
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者
心筋梗塞の患者狭心症の患者
回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者
難病患者リハビリテーション料に規定する患者 (先天性又は進行性の神経・筋疾患の者を除く。)
障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者 に限る。)
その他別表第九の四から別表第九の七 までに規定する患者であって、リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められる者
第九の八第二号
患者の疾患、状態等を総合的に勘案し、治療上有効であると医学的に判断される場合
先天性又は進行性の神経・筋疾患の患者
障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病の者を除く 。)




